沈まぬ太陽

ずっしり来すぎて軽く感想をかけない映画。
色々考えるネタにはなると思うので、普段邦画を見ない方でも面白いかも。
NALとかいいつつどう見てもJALと御巣鷹山から始まる話。
なにやらノンフィクションのような雰囲気が漂っていますが、フィクションの部分も結構あるらしい。

ではあるものの、JALに乗るの止め様かな、って思わせるだけの力がある。

高級官僚とJALの癒着はまるで官僚とJRもそうだったのかしら、と想像してしまう。
そして狸の化かし合い、泥仕合の男の世界の気分の悪さといったらない。
更に(ウチのデ部長)プーの感想のゾッとすることよ。

『昔は(受注が)取った取られたの怨みつらみなんか良くあった事だし、
夜道は気をつけろだの子供の心配をしろだの言うのも聞いた話だ。
昔の高度経済成長期を支えてきたサラリーマンっていうのはそういう辛さもあって
毎日神経をすり減らすような仕事をしてきたんだ。
今の若者はクリーンでいいよな、仕事が決まるかどうかも入札で決まりました、その一言で終わりだ。
今はクリーンな分、仕事は随分やりやすく、簡単になった。』

ですってよ。
飲みニケーションとかそんなレベルじゃなかったのね。
あなたはどうだったのだと、聞けば教えてくれるかもしれないけれど、
なんとなく聞いたら引き返せない道に入り込むような気がしてやめた。
世の中には知らない方が良い事もあるのだ。


ところで主人公は良い人物の様に見えるように描かれているのですが、
実際の所は色々、そうとばかりは言えないかも知れない。
ひょっとしたら同じ穴の狢なのかもしれないけれど、それにしたってJALを今こんなに苦しんでいる国民の血税で助けてやる必要があるのかよ?という気はする。
税金で彼らの年金を払うなんて納得いかないし、一回潰れてみればOBも現状を認識できるんじゃなかろうか。


ところで建築業界が今どれほどクリーンになっているかと言うと
お中元もお歳暮も年賀はがきも、当然接待も禁止、と言うくらいクリーンになっているらしい。
昔旨い汁を吸えた階層の人々は「昔は良かったなぁ」と言うのもちょっと判る。
ある意味、成長を間近に見ることも出来たし、野心も持てたし、イイ時代だったんだろうなぁ。
昔は「重役出勤」なんて言葉があったけれども、今重役は誰よりも早く到着するだろう。
昔は重役室にはブランデーなんかがあったかもしれないけれど、今は見かけないんじゃないだろうか。
今はもう、「日本はダメですよ!夢も何もありませんよ!」(by車屋)なんて言う時代だ。
別に重役出勤できたらから、接待も案外楽しかったから、それで良い時代だったからという訳ではなく、
日本の社会にそういう事を受け入れる余裕があったのかもしれないなぁと思う。
昔の事は知らないけれど、今の日本はかなりカツカツしているんじゃないのだろうか?
言って見たら食費1万円台で生活する家庭みたいなモンじゃないのか。
(食費を節約してみようと思って調べていたので言って見ました。1万円はかなり厳しいです。)


権力を求める人はただ金を求めて板だけだったのか?
正直そこまでして欲しくもないような気がしたのだけれど、頂点に駆け上がる人達はそうではなかったのか。
なんせこの物語の中心人物たちは「戦中戦後」を自分の目で見てきた人達なので、
おそらくそもそも食に対する欲求がないだのハングリーじゃないだの言われる私や、それ以下の年代の人々とは
何か違う、魂から突き動かされるような衝動のような物があったのかもしれない。
それに関連する話は「天才脳は「発達障害」から生まれる」という本の中で
中内功流通革命で少し描かれているので、興味がある向きは読んでみてはいかがだろうか。
ビブリー(右サイドバー参照の事)から私に物々交換を申し込んでくれてもイイよ(´∀`)


ではまた。